行春、散り始めた会津の桜

17日(日)、金曜日に俯瞰で撮った一ノ堰羽黒墓地の種蒔桜。その際の雨模様と打って変わりこの日は朝から晴れるとの予報に、磐梯山を背景に画作りしてみようと出掛ける。今まで俯瞰で撮っていた経験上、早い時間は影が生じ撮り辛いだろうと始発は避けてみた。

会津線を後に回し、まずは河沼郡柳津町大字郷戸字百苅丙の郷戸駅にて只見線の始発を撮ることにした。桜は昨年と同様に花数がかなり少ない。今回は駅舎には近寄らずだったのでまだ咲き切っていないのか、それとも鳥害なのかイマイチ判断が付きません。


冷ややかなる朝の無人駅にて」~ F8・SS1/200・ISO500 ~


車両は同駅06:12発の上り422D。当日は霜が降り車のウィンドウも凍るほどの寒い朝となり、タイトル通り冷ややかな空気が流れていました。列車が到着する頃、珍しく車が二台やって来て撮影を始めました。以前「郷戸駅ノートは面白い」でこの駅のことを少しばかり触れたが、何故かかこの駅が好きというのか、安易に秘境という言葉を使いたくはないが、民家から離れた場所に存在するこの駅はそれに与えするのかなぁ‥と、思う。


さて目的である 一ノ堰の種蒔き桜へ向かうも会津盆地は濃い霧に包まれ、これでは遠くの磐梯山も見えないだろうと推測し、急ぐことなく大沼郡会津美里町雀林字番常免の雀林踏切周辺にて、郷戸駅で撮った06:56頃通過の422Dを待つ。

次第に霧は流れ会津若松市門田町大字一ノ堰字村西にて撮影を始めます。上画像の桜が一ノ堰羽黒墓地の種蒔桜です。下画像は向羽黒山、いつもの立ち位置である二曲輪はどの辺りになるのだろうか。手前の阿賀川沿いにも桜が咲き、長閑な会津の春を眺めていました。その阿賀川沿いには会津美里町せせらぎ公園オートキャンプ場があり、そこから聞こえてくるのだろうか、野球ないしサッカーの声援が耳に届きます。


陽はさらさらと射してゐた ①」~ F10・SS1/640・ISO200 ~


陽はさらさらと射してゐた ②」~ F10・SS1/640・ISO200 ~


撮影車両は①08:25頃通過の下り2108D、②08:02頃通過の上り2305Dとなり時系列は逆になります。というのも目的である磐梯山が雲に隠れなかなか姿を現さず、それでも何とか確認できた①をメインにしました。ロケハンは行っていたが、初めての立ち位置は矢張り迷います。特に桜が二本あるので①と②は構図を変えて撮ってみました。②でも磐梯山が見えれば尚のこと良かったと思います。


このような景観は肉眼と異なり遠くが小さくなってしまい、実際の磐梯山はもっと大きく見えます。そしてその姿がはっきりするだろうと思われる次便11時台の車両も撮ることにします。現像及びレタッチは逆光なので桜や列車などを主に明度を補正しました。


それまでの間、大沼郡会津美里町寺崎宮ノ前の寺崎踏切周辺にある稲荷神社を背景に只見線を撮ります。到着すれば燦々と降り注ぐ春光の下、農家の方々が田んぼを耕しておりました。耕された土は太陽で温まりその温かさが足元から伝わり、更に土の匂いに春を感じました。


画像の桜がある所が表参道になるがそこは田んぼの畦道を歩くようになり、殆どは神社の裏側から境内に行くことが多いようです。その裏手には車を停めるスペースがあり、尚のことそうなっているのかも知れない。


春土にほふ」~ F10・SS1/500・ISO200 ~


車両は10:10頃通過の上り426Dです。背景の空を極力少なくし、先に記したように春の温かさや匂い感じる土を主にしてみたが、ピントを車両に合わせてしまいその表現は後退してしまったようの思う。ただ撮ってみないと分からないが、私的に車両がボケてしまう表現はあまり好まず、これは個々のイメージ次第といったところか‥。


再び一ノ堰羽黒墓地の種蒔桜に戻ります。11:37頃通過の上り2109Dと11:41頃通過の下り3156D AIZUマウントエクスプレス2号を撮るが、あまりにも晴天過ぎて雲が全くありません。磐梯山は思った通りはっきりと姿を現すものの、面白みがないというか在り来たりな内容となってしまい、Main Blogへのupは見送ります。

午後は大沼郡会津美里町鶴野辺字杉ノ寄乙の春日神社から只見線を撮ります。グーグルマップに寄ればこの一帯の住所は大沼郡会津美里町鶴野辺沖中田となるが、神社境内は今程の字杉ノ寄乙となり、また線路沿いがちょっとずつ異なる住所になっている。


下画像の住所は鶴野辺沖中田となります。此処での撮影は線路沿いに矢印の標識が立っており、車両を何処に置くかを毎度悩みます。↓動画をご覧頂くと矢印間では桜が隠れ気味となるため、右矢印の奥側がベストかも知れない。


あゝしづかだしづかだ ①」~ F10・SS1/640・ISO200 ~


あゝしづかだしづかだ ②」~ F10・SS1/400・ISO200 ~


撮影車両は①13:31頃通過の下り427D、②13:51頃通過の上り428Dです。①は神社境内から鳥居越しの撮影になり三脚を低くセットしています。脚立に座り通過を待つ間、強い陽射しの木漏れ日の中に涼しい風が吹き抜け、小鳥の囀りの他は時折り遠くの車の音が聞こえるだけの静かな時間の流れに、ふと穏やかな気持ちになりました。


そして踏切の警報音が鳴り、近付く列車は何か色合いが違うぞと気付く。そうなんです、一昨日見掛けたキハ110が先頭車両でした。思いもよらぬ車両構成と先程の穏やかな気持ちなどなど、もしやこれは神様のお陰かと思ったりする。


②の画像右側には民家が数件あるが、日曜且つ花見などで留守なのだろうか生活音が聞こえず、神社の境内と同様に爽やかな風が吹いています。車両位置に付いては先に述べた通りながら、神社と空、そして線路の配置を毎度悩みます。今回は桜が主でもあり、神社境内を全て撮り込んでみました。毎度書いているが、背景の空にうっすらと雲があれば更に良かったです。


さて今回の撮影は一ノ堰の種蒔き桜と会津美里町を何度か往来しました。その道すがら一昨日撮った只見線宮川橋梁付近を通るのだが、その度にカメラマンの姿が多数ありました。市内周辺の桜は既に白くなり、徐々に散り始めているが青空の下に絶好の景観だったと思います。


@写真タイトルをクリックするとフォト蔵の大きい画像(別タブ)が開きます。