晩春の微睡む午後の窓際にて

今年の桜はあっという間に桜吹雪となって過ぎて行きました。私は母親の車椅子を押しながら近所の桜を眺めるに留まるが、それはそれで趣きがありました。桜が散れば山々は一気に若緑色に萌えます。併しながら日陰はまだ寒く、日溜りの午後の窓際ではふと眠気に誘われます。


さて今回も在庫の画像をupするが徐々にその数が減ってきました。特に以前から撮る機会が少なかった桜関係は極僅かとなり、来春up出来る画像は無くなっているかも知れません。


「春高楼」~ F5.6・SS1/2.5・ISO200 ~


2012/04/24撮影、二本松市郭内三丁目の霞ヶ城公園塀重門跡です。この日は気持ち悪さを覚えるような急激な気温上昇に、足踏み状態だった桜は一気に咲き乱れる。そんな陽気に誘われ仕事もそっちのけに15:00頃から花見に来ました。到着してからは思い描く構図を探し時間を待ちます。逆に言えば今も昔も頭に描くイメージがないと写真が撮れないというか、特に初めての場所などは尚更ボツ画像ばかりになってしまいます。


夜桜といえばWBが難しいです。この画像は3000k周辺で撮影し夜空の青を強調したが、その作用として桜が緑っぽくなり色合いを補正しました。桜花のブレはおそらくSS1/2秒の間に露光間ズームを行ったと思われ、当時はこんなことばかりしていました。


タイトルの高楼とは天守閣など大きく高い建物を指しますが、塀重門跡は箕輪門から先に進んだ門になり本来の意味とは異なるものの、イメージ的にどうしても使いたかった次第です。またこの画像の出来が芳しくないため翌年も撮影に出向いたが、残念ながら既に伐採されその姿は無く、”撮るなら今でしょ”は全くその通りの格言であり、季節限定の被写体は次季を待たず満足行くまで粘ることが大切だと思います。


桜陽燦々」~ F6.3・SS13・ISO200・C-PL+ND400・Double Exposure ~


郡山市西田町大田字雪村の雪村庵、撮影は2013/04/12。撮影記は「13/04 撮影記」。その撮影記に記されているように、到着した昼過ぎ頃は観光バスやら何やらと人出が多く、雪村庵の代表的構図である正面及び左側からは撮れないと判断、人の姿がない右側に回ってみる。


すると陽が燦々と眩いばかりの景観となっており、以前読んだカメラ雑誌に”逆光を制する者は写真を制す”などと書かれた文言を思い出す。だいぶ昔の画像なので撮影方法は撮影記に頼るしかないが、それじゃ撮ってみるかと色々試したことを思い出す。中でも何故に絞りがこんなに甘いんだ‥と、疑問に思ったが、それは二重露出による撮影によるもので、二種の絞り設定でふんわりした表現を選択していたようだ。


フィルターはND400を使用。昔から茅葺なら更に良いと思う庵、残念ながら現況のトタン屋根の照り返しを抑えたいとC-PLを装着するが、当然逆光なのでその効果は殆どありません。という訳で再upにあたりレタッチを始めからやり直した次第だが、お恥ずかしながら逆光さえも制していない内容となっています。


会津路の足元寒し朝汽笛」~ F8・SS1/250・ISO250 ~


河沼郡柳津町大字柳津字寺家町甲、お決まりの撮影ポイントである福満虚空藏尊裏です。この辺りは北向きになるのか、周囲よりワンテンポ遅れた開花になるようです。そして朝の便は陽射しがあると輝度差が生じ、明暗の補正が必要になると思います。


撮影日時は2018/04/22、会津柳津駅07:04(当時)発の下り423D。撮影時にupしなかった理由は前出の輝度差です。撮影記「南会津郡南会津町 小塩の桜+etc」でご覧いただけるように、撮って出しの状態では左側の桜にのみ陽が当たり、全体的に沈んだ印象になってます。


従って右側の桜、車両、そして手前側の線路などの明度を+補正、それに伴うコントラストや彩度の調整を行いました。それでも日陰の寒々とした景観は、撮影時に感じていた桜咲く奥会津の早朝の寒さを思い出させます。


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