竹笋生...緑鮮やかなる

暑かったGWが終わると朝昼の寒暖差が大きくなり、衣類も寝具もどうして良いものか毎日悩みます。鮮やかな新緑はもう終わりでしょうか、山々は尚のこと色濃くなってきました、四季の中でこの季節が一番好きなのだが、相変わらず撮影に出掛けられない状態が続く中、在庫画像を三枚ほど再現像してみました。


「光陰流水」~ F5.6・SS1/160・ISO200・C-PL ~


一枚目は南会津郡下郷町野際新田の日暮の滝です。撮影は2012/05/19、11:13頃。私がデジイチを購入した大きな理由は滝を撮ることでした。従って以前は滝目的であちこち出掛けていました。日暮の滝は高さ40mと15mの二段からなる滝で、”日暮れまで飽きずに眺められる”というのが名前の由来のようです。詳しくは「おいでよ!南会津」を参照して下さい。


滝を撮っていて構図に困るのは落差が大きい瀑布です。全体を捉えるとなると遠くから引いたフレーミングになり、例えばナイアガラの滝やイグアスの滝のように横幅があれば迫力も表現出来そうだが、華厳の滝のような形状では個人的にどうもピンときません。


従って観瀑台から降り下段の流れを撮りました。近付き過ぎると豊富な水量で濡れてしまうため中望遠域で撮りました。新緑の季節とはいえ南会津の山間では要約芽吹き始めたといったところか、鳥の囀りと爽やかに吹く風、そして煌めく光が尚のこと心地良かったです。


もしかして風景写真を撮る醍醐味とは面前の風景と同化することかも知れない‥などと偉そうなことを書いているが、時が過ぎてもこうして画像を見ながら回想記などを書いていると、その時の心情に加え光や風の様、そして匂いや音が脳裏に甦ってきます。


生きることについての考察」~ F5.6・SS1/6・ISO400・C-PL ~


二枚目は耶麻郡猪苗代町大字蚕養字小達沢の達沢不動滝だが、upする画像は駐車場から滝へ至る途中の樹木です。撮影記は「2013/06」になるものの、この樹木に関しては記されていません。先の日暮の滝で触れたように、滝撮りを始めた頃この滝は毎週のように通いました。その中にはあまり他言しないのだが、国際的なフォトコンで入賞した画像もあります。


撮影は2013/06/05、13:48頃。滝を後にし帰路の途中で撮りました。この滝に来ればその姿は否が応でも目に付く樹木だが、お恥ずかしながら上部を見たことがなく、何の木かは不明です。画像を見てお分かりのように、次第に土が流出しこのような形状になったと思われるが、それは誰の手も要さず生き抜く森羅万象の姿だと感銘を受けます。


当時使っていた機材はコントラストが強いのか、色合いも含めやや絞りを開けても背景の森が刺々しく描写されます。従って現像は一旦モノクロ化し各所の色合いを再着色。更に木肌のリアルさ表現にコントラストと各部明暗の調整を行いました。


頻繁に通っていると変わり行く景観に気付くことがあります。中でも滝前に下がるカエデの形状は顕著で、例えば昨秋撮った構図を今年もとフレーミングしても同様ではありません。

上画像は以前も載せたことがあるが、果たして何年前になるのだろうか、樹木の有無に加え川の中にある岩々の存在が現在とまるで異なります。実際のところ2019年秋の令和元年東日本台風の大雨により、向かって右側の斜面が崩れ大きな岩が滝前に流出しました。その直後は周囲から浮いていた茶色の岩だが、現在は苔が生し景観に溶け込んだように見えます。


滝は生き物です。何千何万年という時間の中で少しずつ浸食し上流に向かい、規模や土壌の違いはあれどその最終形態はグランド・キャニオンなのかも知れません。令和元年東日本台風では斜面の崩落だったが、大洪水が滝を下れば瞬く間にその景観・形状は変わってしまいます。


葭始生」~ F10・SS1/250・ISO250 ~


最後は2022/04/24、大沼郡会津美里町八木沢字七窪の蓋沼森林公園から撮った画像です。撮影記は「此方」になるが、13:55頃通過上り428Dの別カットになります。撮影記に記されているように、まだ冬季閉園中だったのでゲート近くに車を置いて歩きました。私は詳しく分からないがこの辺りの田んぼは一旦水を入れ、代掻き後に水を入れ替えると聞いたことがあります。実際撮影の数日後には水が抜かれていました。


此処に立つと涼やかな風が気持ちよく爽快な気分になります。後述するが微かにガタンゴトンと列車の音が聞こえることもあるけど、他には小鳥の囀りと風の音だけです。併しそんな長閑さに反し撮影は空模様=太陽の加減によって難しく、この日は薄曇りのフラットな光線でベストな環境となり、ほぼ撮って出しの画像ながら雰囲気の良い色合いになったと思います。


私的に此処からの撮影は春の水田と稲が実る初秋が適していると思います。夏は陽光が強く、午前中の便は影となり、午後は午後でギラギラした描写になってしまいます。何れにしても季節関係なく薄曇り時が良いですが、標高400mとはいえ会津盆地の夏は想像以上に暑いです。


気を付けたいのは私の視力が弱いこともあり、通過間直に目をそらすと車両を見失ってしまうことです。風に乗って走行音や踏切の警報音が耳に届くこともあるが、それらはあまり当てにならず車両の動きを凝望することが大切です。実は機材の調整で目を離したり、変に余裕を持ったりすると既に過ぎ去ってしまったことが何度かありました。


さて冒頭で新緑云々と言っておきながら、その画像は今回一枚だけとなりました。次回は新緑の画像を見繕ってみたいと思いますが、果たしてup出来るものがあるか否か‥。


@タイトルをクリックするとフォト蔵の大きな画像(別窓)が開きます。