昨年の写真

今年も独断と偏見、そして自己満足で昨年撮った写真の中から五枚を選んでみたのだが、「これだ!」というものがない。いや、その時はあったのかも知れないが、時間の経過と共に撮った時の感覚が薄れてしまっており、言い換えれば時間を超越できない内容ばかりと云うことになる。



タイトルをクリックするとフォト蔵の大きな画像(別窓)に飛びます。


■07/04「ラピュタ」大沼郡金山町大字大志字乙越 大志集落


昨夏は川霧を追って大沼郡金山町や三島町に通った。「ラピュタ」は国道252号線から大志集落を望むポイントがあり、只見川から立ち込める川霧で集落が空に浮かぶよう見えた。横構図の画像はよく見るので敢えて縦構図でフレーミングしてみたのだが、一層浮遊感が強調されてたかも知れない。
左下の樹木、これは脚立などで高い位置から撮れば入らないかもだが、見る人によっては存在の有無に賛否両論があり、個人的にはあった方が単調にならず良いのでは‥と、思っている。


■07/25「今日の朝」大沼郡三島町大字川井字天屋原 只見線第一橋梁


七月に第一橋梁の撮影を三度行った。霧は一度目の発生量が多かったのだが、個人的には「今日の朝」のように山々の木々の間から立ち登る感じが好みだ。
時間は朝六時、この時間は上りの一本だけとなり遠くからガタンゴトンと聴こえてくると集中力が高まる。愚生は撮鉄ではないが、おそらくこの緊張感がある意味快感なんだろうと思う一瞬だ。
因みに鉄橋上の車両位置が好みで分かれる所でもあるが、いつも鉄橋中央と右側車両の中央が重なる位置を連写で捉えている。


■08/16「夏、終わりだね・・」いわき市平薄磯字宿崎 塩屋崎灯台


撮影には適さない夏の昼下がり。併しながらタイトルのように秋を思わせる雲が太陽を遮り影が出来ない。遠くには波打ち際で遊ぶ人々がいて、ND400を使った長露光で雲と波、そして人の動き(残像)を考慮しながらシャッターを切った。
要はタイミングの問題なのだが、その瞬間を待つというか捉えることが自分にとっては写真の面白さであり、デジカメの利点を大いに活用しイメージする内容になるまで撮っては確認を繰り返す。


■08/30「秋空は鈍色にして」南会津郡南会津町高杖原


南会津町高杖原の蕎麦畑、二週に渡り訪れたのだが二週とも雨模様となった。九月の関東・東北豪雨では南会津町も被害を受けたのだが、夏から秋へと雨が多く、もしかしてこの頃よりその予兆があったのかも。
撮影した日は重々しい雨雲が垂れ込んでいた。そのままの有り様では単に天候が悪い蕎麦畑となってしまうので、ND400使用で雲の表情を変えてみた。風が無かったので樹木や蕎麦に動きが出ずに助かった。
こうして見ると何等変哲のない写真なのだが、正に自己満足というのか何故か惹かれるものがあり、2015の写真には欠かせない一枚。因みに鈍色とはネズミ色なのだが、個人的イメージによるタイトルです。


■10/04「月を撃つ」いわき市小名浜字渚


九月の中秋の名月と煙突の合成画像。煙突は十月になってから撮ったものだが、撮影中から脳内で月を使った構図を考えていた。蛍の合成などで使用する”SiriusComp”を用いて作画。当初はイマイチ感が先立っていたものの、見慣れたというのか徐々に非日常的光景が良い意味で日常的感覚になってきた。


選択を終えてみれば「月を撃つ」以外は夏に撮ったものとなり、総じて緑色系の光景だ。例年と異なり紅葉シーズンの撮影が多かったのだが、どうもイマイチというかそれらを選ぶことはなかった。
そして今回であれば「ラピュタ」と「今日の朝」を除き、毎年共通していることは長露光による画像が多く、その撮影方法が矢張り好きだということになる。という訳で今年はどんな光景に出会えるか、期待と共に上手く撮影できるか否か技術及び行動力不足による不安が募る。