緩々と山から秋が降りて来る・・・午前の部
20日(日)、約一ヶ月ぶりに只見線撮影に向かう。週末の度に訪れていたこともあり、間が開くと各景観はどう変わり何処から撮って良いものか感覚が掴めない。それにしても寒い朝だった。猪苗代周辺では8℃前後となっており、車窓にはビリビリとおそらく木枯らしだろう凍えそうな風が吹き付けていた。今回の撮影記は午前と午後の二部になる。

この日は紅葉の様子伺いもあるが、始発便の頃は暗くてその様子は分からず、取り敢えず大沼郡三島町大字名入字上居平の第二只見川橋梁にて06:02頃通過の上り422Dを撮る。通過の頃には次第に明るくなり、山々は幾分色が変わり始めたといったところだ。それでも車両右上の樹木は毎秋色付くのが周囲より早い。


今年の紅葉は前述したように例年と比較し遅れているのか、第二只見川橋梁から金山町横田方面へ向かってみれば、高い山々の色合いはちょっと進んでいるようにも見受けられた。そんな中、撮影は毎度の大沼郡金山町大字横田字山根の線路沿いで行う。
線路沿いは上画像のように枝木が蔓延っており撮影が出来ない。散歩中の地元の老父に刈って良いかと尋ねる。昨秋は老婦の方々に訪ねたが、毎回「誰のもんでもねぇがらかまねぞい」というご返答。一ヶ月前の暑さならそんな気持ちにはならないが、既に枝木も真夏の勢いはなく凡そ30分程で下画像のようになり身体も温まった。

「秋空はMonochrome」~ F10・SS1/400・ISO800 ~
車両は07:37頃通過の上り426D。今回は背景が特徴的な雲ということもあり、空の面積を多めに画作りしてみたのだが、矢張り間が開いてしまったように思う。従って雲のコントラストや全体的な明暗などなど、後に再現像するようになるかも知れない。

続いて426Dを撮った立ち位置から60mほど下り側に移動する。ご覧のように一部の田んぼでは稲刈りが終わっておらず、彩り的には良い景観だった。夏場は雑草で撮影が難しいが、この一帯は春秋冬と各々に趣きがある場所だと思う。

列車の通過を待っていると、毎朝欠かさず熊野神社へお参りする老婦がやってきた。周囲の温泉や只見線などの世間話しをすると、「これ食べっがい?」と栗を頂いた。子供の頃は山中で皮を剥いてそのまま生で食べたものだが、舌に残る渋みやえぐみなどの記憶が甦り、帰ってから網で焼いて食べることにした。

「蚯蚓鳴く」~ F10・SS1/500・ISO320 ~
車両は08:40頃通過の下り423D。気が付けば虫の音も聴こえず静まり返り、こんな季節は夜になると地中で”ジー”っとミミズが鳴くと云われ、ひっそりと冷たい風が頬を撫でれば尚更そんなことを想わせる景観だった。
撮影後は近くの大塩温泉にて一休み。湯温が低いのでこの時期は朝夕に加温し38℃をキープしている。寒い季節は熱い湯と思いがちだが、ぬるい湯にゆっくり長く浸かるのもまた良い。

午前中最後は今シーズンの只見線満喫号を何処で撮るかを思案し、南会津郡只見町大字蒲生字上原の蒲生川橋梁北西側とした。川沿いの築堤を歩いているとアオダイショウが動かずにいた。私が近付いても寒さで動きは遅くやっと草むらに逃げ込んだ。

「雀らの声も硬うはなりました」~ F10・SS1/400・ISO200 ~
車両は12:09頃通過の下り9425D。蒲生川橋梁はススキで隠れる構成となってしまった。今ほどの蛇もそうだが、虫の音も鳥の声も全く聴こえず生き物は静まり返る季節になったのだろうか、ススキを揺らす無機質の風が吹いているこの景観は、この先の紅葉が終わり草木も枯れた灰色の季節を予期しているかのようだ。
ところで今回の満喫号は窓枠下に赤く太いラインの車両が二両。午後からは只見で折り返す便を撮るのだが、赤ラインは遠くからでもかなり目立っている。加えてデフォルトのキハ110のライムグリーンとは異なる深緑色のラインなど、私的には好みでない仕様だ。
さて第七只見川橋梁の近くで自転車の脇に座り込み、カメラの整理をする年配の男性がいた。聞けば東京から列車に折り畳み出来る自転車を乗せ、昨日は只見町、この日は三島町の旅館に宿泊するとのこと。その間自転車に乗りながら只見線を撮るようだが、世の中には色々な人がいて、色々な楽しみ方があるものだなぁ‥と、改めて思った。
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