白河市双石 ”とら食堂”

白河市のとら食堂へ初めて行ってきました。福島のラーメン・ランキングには必ず上位に入る人気店であり、行列を覚悟し11:20頃に到着。

話しでは聞いていたが、県道11号線からちょっと入った目の前に田んぼが広がる細い路地に店があり、近くまで来ると案内板が数箇所に立っているので分かり易いと思う。

因みに白河市から石川郡石川町方面は県道11号線、石川町からいわき市方面は県道14号線となり、両県道を総じて”御斉所街道”と称される。撮影などで県道14号線は頻繁に使うが、県道11号線の利用頻度はとても少ない。

到着時、広い駐車場はほぼ満車状態となっており、水戸・仙台・長岡・那須・品川などなど県外ナンバーが目立つ。それでもお一人様が多かったり客回転がスムーズなのか三十分程の待ち時間で入店できた。

メニューは醤油ベースになり、焼豚麺(チャーシューメン)をオーダーする。手打ちの中太ちぢれ麺は個人的に好みである柔らかさとポソポソとした食感で、鶏及び豚ガラのシンプルな味わいながらコクのあるスープに絡みます。ただちょっとしょっぱさが舌に残るというのか、もうちょい薄味でも良かった。
おそらく化学調味料の類は使っていない為か、食べ始めは現代的風味に慣れた口には物足りないものの、言い換えれば刺々しさのない優しい味なのかも知れない。


創業者の竹井寅次氏には下記のような逸話がある。以下引用。


・・・大正15年生まれの寅さんは、近所でも評判のギャンブル好き。その上大酒のみで、仕入れの金を握って競輪場へ足を運ぶような遊び人で通っていた。しかし、寅さんのつくるラーメンは群を抜いて評判がよかった。太くちぢれた手打ち麺に、相性のいい醤油ダレのスープ。麺量が多く、雪国にはもってこいの食事だったのだ。


かつて、寅さんの中華そばを教えてほしいと修行に入る人が市内に何人もいた。その人たちに、寅さんは惜し気もなくつくり方を伝授したのである。毎日、自分のつくった中華そばを弟子たちに味見させて、出来映えを確認しながら、しっかりとした味を舌に憶え込ませていたのだ。


弟子たちはそれぞれに独立し、そこからまた巣立った人たちも店を出し、今や白河は中華そばを出す店が100軒にも上る麺どころとして成熟した。種を撒いたのが寅さんであり、長い時間をかけて火種を導火線にしたのが息子の和之さんだと言えよう。親子2代、白河ラーメンを牽引し、味の伝播に貢献してきた・・・


とても素晴らしい話しですね。でも雪国にはもってこいの食事の割にはスープが熱くなかったのが残念。

店内はまた新しいのか木材をふんだんに使った内装で明るく広いです。記憶ではカウンターが八席、四人掛け座敷が三卓、六人テーブル五卓。食べたいと思った時に直ぐ入れるなら足繁く通うのだが、並ぶとなると矢張り考えてしまうなぁ‥とか言いながら、次回はワンタン麺を食べてみたい。


白河市双石滝ノ尻1 月曜定休