冬ノ色
01日(日)、先週の雨の中での只見線撮影。それが引き金になったのか、翌朝に喉の激痛と咳、そしてタンが絡み身体中のあちこちが痛む。それから咳が収まらず一週間が経ち、もうちょっと様子を見て治らなければ医者に行こうと思ってる。
そんな体調、且つまだタイヤ交換をしていなかったので深夜から出掛けることは止め、家で朝食を摂ってからの出発。本当は浜通りを予定していたものの、出発が遅いのでまずは先週と同様に河沼郡柳津町大字柳津字上村道上乙に向かう。柿の木の奥からやってくる列車を撮るのだが、この日も冷たい雨となりボツとした先週のような内容になってしまうかもだが、明るい時間なので取り敢えず撮ることにする。
「時雨濡れそぼつ木守柿」~ F10・SS1/320・ISO500 ~
車両は09:33頃通過の上り426D。結果的にはミゾレっぽい雨で先鋭感が失われている。併しながらそれよりもピントを何処に合わせるかを考え直す撮影となった。というのもいつものように車両に合わせたのだが、中央の柿の木が煩い存在になってしまったようだ。
絞りはF10なのでこれ以上絞っても大差はないかも知れない。となると柿の木にピントを合わせるのが正解だったのか、それとも中望遠レンズではなく標準レンズで柿の木に近付けば良かったのかなどなど、何れにせよ本数のない只見線は撮り直しが効かず今も悶々としている。
続いて大沼郡三島町大字早戸字滝原の第三只見川橋梁へ向かってみる。今秋はスノーシェッド内の駐車場がいつも満車で寄ることがなかったのだが、要約今頃になって残秋の様子を伺ってみた。車両は12:52頃通過の上り428D。
橋梁の右側付近に枯れ紅葉が残っており、その周辺を望遠で切り取るつもりであったのだが、遠くの山の残雪が気になり全く異なるアプローチとなる。その結果はご覧のように散漫な内容となる。右下の木々にもうちょっと葉が残っていれば何とかなったのかも‥と、反省の弁。
最後は大沼郡金山町大字横田字山根にて上下便の撮影を行う。毎度撮っている私的定番地だが、これから雪が深くなれば此処へは来れなくなり、その前に撮っておこうといった処だ。つい半月前まではまだ緑色であった野の草々もススキも枯れていた。
「鈍色の空、嗚呼あつけらかん」~ F8・SS1/500・ISO640 ~
車両は15:01頃通過の上り430D。午後からは上がる予報であったが、雨はずっと降り続く。季節毎と云うか定期的に同じ立ち位置、同じ構図で撮っていると見えなかったものが見えるようになり、又はその逆もあったりとちょっとした発見がある。
だからといってそれが同じ画像を撮る理由にはならないが、きっとこの線路が見える景観が好きなんだろうな‥と、思う。確かその線路沿いの伸びた枝々を切ったのは10月、その後成長が止まった茶色の景観は鈍色の空と相俟って冬色の様相となる。
「小鳥も啼かないくせにして、犬なぞ啼きます風の中」~ F7.1・SS1/320・ISO800 ~
車両は15:53頃通過の下り427D。雨雲により暗さが増し、枯れ草など全体がくすんだ色合いになる。従って無理に補正せずモノクロを選択した。東北色のキハ110が先頭で通過することは分かっていたので、それもあってクラシカルなイメージとした。
そう云えばスズメの数が減少し、何れ絶滅危惧種になるかもと聞いたことがある。確かに家の周囲でも暫く聞いていないかも知れない。そして同地では寒くなってから他の鳥の鳴き声も聞かなくなって久しい。鳥だけではなく生き物の気配さえ無くなる季節、その代わりという訳ではないが、冷たい風の中、遠くから犬の鳴き声が耳に届く。
430Dと427Dを撮るまでこの地に三時間ほど滞在しただろうか。その間は軽トラが一台往来したのみで、中原中也だったら”毎日寒くてやりきれぬ。瓦もしらけて物云わぬ”となるのだろうな。というか、こんなことしてるから風邪が治らないんだな、きっと‥。
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